塗り替えで後悔しないために知っておきたい視点
「外壁を塗り替えたいけど、どんな色が合うのか分からない…」
「おしゃれな色を選んでも、自分の家に似合うのか不安…」
外壁の色選びで迷う人は少なくありません。特に、色見本やカラーシュミレーションで気に入った色でも、実際に家に塗ってみると「なんだか違う…」と感じるケースがあります。こうした失敗の多くは、建物の形状やデザインとのバランスを考慮していなかったことが原因です。
色そのものの良し悪しだけでなく、「どんな家にその色を使うのか」という視点がとても重要です。本記事では、外壁の色と建物の形状・デザインのバランスをとるポイントについて、わかりやすく解説します。外壁塗装を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
外壁の色選びは家の第一印象を左右します。
▶【失敗しない外壁塗装の色選び:プロが教える最適カラーの選び方】で、後悔しないための色選びのポイントを学びましょう。
建物の形状によって「似合う色」は変わる
建物の形には、それぞれに持つ「雰囲気」や「印象」があります。外壁の色は、その印象を引き立てることもあれば、逆に壊してしまうこともあります。
シンプルな四角い家には、引き締まった色が映える
現代的な箱型の住宅や直線的なデザインの家は、グレーやネイビー、ホワイトなどの落ち着いた色と相性が良い傾向があります。無駄のない形にシャープな色を合わせることで、洗練された印象になります。
逆に、明るい色を使いすぎると、のっぺりとした印象になりやすく、メリハリがなくなることもあります。
複雑な形状の家には、やわらかい色で調和を
凹凸の多い家や、屋根の形が複雑なデザインの家は、ベージュやアイボリー、淡いブラウンといった中間色や暖色系の方が、建物全体の印象をやわらかく見せてくれます。
濃い色を使う場合は、アクセントにとどめると、重たくなりすぎず、バランスの良い仕上がりになります。
建物の種類に合わせた色選びを
建物の「種類」によっても、似合う色は大きく変わります。色はデザインの一部として考え、調和のとれた組み合わせを意識することが大切です。
和風住宅には、自然になじむ色がベスト
瓦屋根や木目を活かした和風の住宅には、土壁色、濃いグレー、渋いベージュなどの自然系カラーがよく合います。主張しすぎず、落ち着きのある仕上がりになります。
原色やビビッドカラーを使うと、和の美しさを損なう恐れがあるため注意が必要です。
洋風・南欧風の家には、明るくやわらかい色を
オレンジ系の屋根やアーチ形の玄関を持つ洋風住宅には、クリーム色、テラコッタ、薄いオリーブグリーンなどがぴったりです。柔らかく明るい色は、南欧風の雰囲気を引き立ててくれます。
反対に、黒や紺など重厚な色を使うと、建物の可愛らしさや温かみが薄れてしまうことがあります。
配色の「バランス」で見た目は決まる
外壁は、1色だけで塗ることもできますが、2色以上の組み合わせ次第で建物全体の印象が大きく変わります。建物の形に合わせて、どこにどの色を使うかを意識しましょう。
凹凸を活かして配色に変化をつける
建物に凹凸がある場合、それを活かしてベースカラーとアクセントカラーを使い分けると、立体感が生まれます。たとえば、玄関まわりやベランダ部分に濃い色を使うことで、自然なコントラストがつき、全体が引き締まります。
配色は「3色以内」が基本
外壁塗装では、色を多く使いすぎると、ごちゃごちゃした印象になってしまいます。一般的には、ベースカラー・アクセントカラー・付帯部カラーの3色以内にまとめると、落ち着きと統一感のある外観に仕上がります。
周囲との調和も意識しよう
家は単体で見るものではなく、周囲の環境や街並みの中に存在するものです。外壁の色が目立ちすぎたり、周囲の家と全く違う雰囲気になってしまうと、悪目立ちすることにもなりかねません。
地域によっては景観条例などで色に制限がある場合もあるため、塗装を行う前に確認しておくことも大切です。
建物の「個性」に合った色を選ぼう
外壁の色選びは、「好きな色」を選ぶだけではうまくいきません。建物の形やデザイン、そして周囲の環境とのバランスを考えることで、初めて「その家に本当に合った色」にたどり着けます。
色は、建物の個性を活かすための大切な要素です。シンプルな形にはシャープな色、複雑な形にはやわらかい色。和風には自然色、洋風には明るく温かい色。そんな視点を持って、色選びに取り組むことで、後悔のない塗り替えが実現できるはずです。
ぜひ、あなたの家の「形」と「デザイン」に合った色を見つけて、満足のいく外壁塗装にしてください。